足のかゆみや皮むけ、爪の変色などの症状で「もしかして水虫かも？」と悩んでいませんか。
水虫は日本人の5人に1人が感染している身近な皮膚疾患ですが、正しい診断と治療を受けるためには適切な診療科を受診することが重要です。市販薬で様子を見ている間に症状が悪化したり、実は水虫ではない別の疾患だったりする可能性もあります。
この記事では、水虫の症状がある場合に何科を受診すべきか、皮膚科での検査内容や治療方法、かかる費用について詳しく解説します。早期の適切な治療で、水虫の悩みから解放されましょう。
目次
水虫の症状が出たら何科を受診するべきか
水虫の症状が疑われる場合は、迷わず「皮膚科」を受診しましょう。
皮膚科は水虫（白癬菌感染症）の診断と治療の専門科です。皮膚科医は毎日のように水虫患者を診察しており、類似した症状を示す他の皮膚疾患との鑑別診断にも精通しています。
水虫の何科選択で皮膚科が最適な理由
専門的な診断技術
皮膚科では顕微鏡を使った白癬菌の検査（KOH直接鏡検法）を行うことができます。この検査により、症状の原因が本当に白癬菌なのか、それとも汗疱やカンジダ症などの別の疾患なのかを正確に判断できます。
豊富な治療選択肢
皮膚科では水虫の症状や重症度に応じて、最適な外用薬や内服薬を選択できます。爪水虫の場合には内服薬が必要になることが多く、定期的な血液検査とともに安全に治療を進められます。
内科や他の診療科では不十分な理由
内科でも水虫の内服薬を処方することは可能ですが、以下の点で皮膚科が優れています：
- 顕微鏡検査による確定診断ができない場合がある
- 皮膚疾患の鑑別診断の経験が限定的
- 外用薬の使い分けや塗布方法の指導が不十分な場合がある
皮膚科受診は恥ずかしくない
「水虫で病院に行くのは恥ずかしい」と感じる方も多いですが、水虫は風邪と同じような感染症の一つです。皮膚科医は毎日多くの水虫患者を診察しており、全く恥ずかしがる必要はありません。
むしろ早期受診により、症状の悪化や家族への感染拡大を防ぐことができます。
水虫の皮膚科での検査と診断方法
皮膚科での水虫の何科診断は、主に顕微鏡検査により行われます。
KOH直接鏡検法による診断
検査の流れ
- 症状のある部位から皮膚片や爪の一部を採取
- 採取した検体を特殊な溶液（KOH）で処理
- 顕微鏡で白癬菌の有無を確認
この検査は痛みがほとんどなく、結果もその場で分かる便利な検査です。
検査の精度と限界
顕微鏡検査の精度は約70-80%程度で、100%確実ではありません。以下の場合に偽陰性（実際は水虫なのに陰性と出る）が起こることがあります：
- 市販薬を使用している場合
- 検体採取部位に菌がいなかった場合
- 症状が軽微な初期段階
そのため、臨床症状と合わせて総合的に診断し、必要に応じて再検査を行います。
培養検査
顕微鏡検査で診断が困難な場合は、培養検査を行うことがあります。検体を培養して菌を増やし、菌種の同定も可能です。ただし結果が出るまでに2-4週間かかります。
最新の抗原検査
最近では、イムノクロマト法を用いた白癬菌抗原検査キット「デルマクイック」も導入されています。KOH直接鏡検法で陰性となった場合の補助診断として有効で、全体一致率79.7%の精度を示しています。
水虫の皮膚科での治療方法と薬
皮膚科での水虫の何科治療では、症状の部位や重症度に応じて外用薬と内服薬を使い分けます。
足水虫の外用薬治療
主な外用薬の種類
| 薬剤名 | 商品名例 | 特徴 |
|---|---|---|
| ルリコナゾール | ルリコン® | 1日1回投与、広範囲に有効 |
| ラノコナゾール | アスタット® | 刺激が少なく使いやすい |
| テルビナフィン | ラミシール® | 殺菌的作用が強力 |
| エフィナコナゾール | クレナフィン® | 爪水虫専用 |
外用薬治療のポイント
- 入浴後の清潔な状態で塗布
- 症状が治まっても2-3ヶ月継続
- 患部より広い範囲に塗布
- 指の間もしっかりと塗布
爪水虫の内服薬治療
爪水虫は外用薬だけでは治療が困難なため、内服薬が第一選択となります。
主な内服薬
| 薬剤名 | 商品名 | 服用期間 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| テルビナフィン | ラミシール® | 6ヶ月 | 1日1回、肝機能検査必要 |
| イトラコナゾール | イトリゾール® | 3ヶ月 | パルス療法可能 |
| ホスラブコナゾール | ネイリン® | 3ヶ月 | 比較的新しい薬剤 |
内服薬治療の注意点
- 定期的な血液検査（月1回程度）
- 他の薬剤との相互作用チェック
- 肝機能への影響監視
- 治療期間は6ヶ月～1年以上
治療期間の目安
| 水虫の種類 | 治療期間 |
|---|---|
| 指間型 | 最低2ヶ月以上 |
| 小水疱型 | 最低3ヶ月以上 |
| 角質増殖型 | 最低6ヶ月以上 |
| 爪水虫 | 6ヶ月～1年以上 |
水虫の皮膚科での費用と診察の流れ
水虫の何科費用は保険診療で比較的リーズナブルです。
初診時の費用（3割負担の場合）
足水虫の場合
- 初診料：約880円
- 顕微鏡検査料：約180円
- 外用薬処方料：約300-500円
- 合計：約1,400-1,600円
爪水虫の場合
- 初診料：約880円
- 顕微鏡検査料：約180円
- 血液検査料：約1,500円
- 内服薬処方料：約2,000-3,000円
- 合計：約4,500-5,500円
継続治療時の費用
外用薬治療（月1回受診）
- 再診料：約220円
- 処方料：約300-500円
- 合計：約500-700円
内服薬治療（月1回受診）
- 再診料：約220円
- 血液検査料：約1,500円（月1回）
- 処方料：約2,000-3,000円
- 合計：約3,700-4,700円
診察の流れ
初診時
- 問診（症状の経過、既往歴など）
- 視診（患部の観察）
- 検体採取（皮膚片や爪の一部）
- 顕微鏡検査
- 診断説明と治療方針の決定
- 薬剤処方と使用方法の説明
再診時
- 症状の改善度確認
- 副作用の有無確認
- 必要に応じて血液検査
- 薬剤の継続・変更検討
費用を抑えるポイント
- ジェネリック医薬品の選択
- 大容量製剤の選択（長期使用の場合）
- 定期受診による早期治癒
水虫で皮膚科を受診するタイミング
水虫の何科受診のタイミングを見極めることが重要です。
早期受診が推奨される症状
足の症状
- 指の間の皮むけや白いふやけ
- 小さな水ぶくれの出現
- 持続するかゆみ
- 足裏のカサカサや厚い角質
爪の症状
- 爪の白濁や黄色変色
- 爪の肥厚や変形
- 爪がもろくなりボロボロ崩れる
- 爪の一部が浮いている
緊急受診が必要な場合
- 細菌の二次感染（赤み、腫れ、膿）
- 糖尿病患者での足の傷
- 免疫低下状態での感染拡大
市販薬使用後の受診タイミング
2週間使用しても改善しない場合
市販薬を適切に使用しても症状が改善しない場合は、以下の可能性があります：
- 水虫以外の皮膚疾患
- 薬剤が症状に適していない
- 使用方法が間違っている
- 爪水虫への進行
家族への感染予防
水虫患者の約60％が10分間で白癬菌を環境中に散布するため、早期治療は家族への感染予防にも重要です。
感染リスクが高い状況
- 同居家族に水虫患者がいる（感染リスク10倍）
- 公衆浴場やスポーツジムの利用
- 足ふきマットやスリッパの共用
予防と早期発見のポイント
日常的なチェック項目
- 足指の間の観察
- 爪の色や形の変化
- 足の乾燥状態
- かゆみや違和感の有無
予防策
- 足の清潔保持
- 十分な乾燥
- 通気性の良い靴下選択
- 靴の交代使用
まとめ
水虫の症状がある場合は迷わず皮膚科を受診しましょう。皮膚科では専門的な検査により正確な診断を行い、症状に応じた最適な治療を受けることができます。
重要なポイント
- 水虫は皮膚科が専門
- 顕微鏡検査による確定診断が重要
- 早期治療で完治可能
- 保険診療で費用も抑えられる
- 恥ずかしがらずに受診することが大切
市販薬で様子を見るよりも、早期の専門治療により確実に治癒させることが、結果的に時間と費用の節約につながります。症状がある場合は、ぜひお近くの皮膚科を受診してください。
