プチグレン精油の効果・効能と使い方。落ち着く香りが魅力のアロマ
柑橘系の精油「プチグレン」は、花や樹木の香りをあわせ持つやさしい香りが魅力。身体と心を整えるさまざまな効果・効能があるといわれています。「精油は使い方が難しそう…」と感じている方がいるかもしれませんが、実は手軽に取り入れられるものなんです♪今回はプチグレンの効果・効能や使い方などを解説します。
2024年09月19日更新
記事の目次
プチグレンとは
「プチグレンは何の植物から採れるの?」「ほかの柑橘系アロマとプチグレンの香りの違いは?」と気になっている方もいるのではないでしょうか。
そこで、プチグレンが抽出される植物や香りの特徴を詳しく解説します。
プチグレンはどんな植物?
プチグレンは、インドやヒマラヤが原産となるビターオレンジの葉や枝から抽出される精油です。ビターオレンジは日本では橙(ダイダイ)とよばれ、正月の鏡餅といった縁起物によく使用されています。
酸味が強いことから、主な産地となるヨーロッパではサワーオレンジともよばれています。
【プチグレンの基本情報】
学名 | Citrus aurantium |
和名 | 橙(ダイダイ) |
科名 | ミカン科 |
抽出部位 | 葉、枝 |
主な産地 | フランス、スペイン、イタリアなど |
プチグレンとネロリの違い
プチグレンとネロリは、どちらもビターオレンジの果樹から抽出される精油です。しかしプチグレンは枝や葉から、ネロリは花から採れるため、香りの印象は異なります。
特徴としては、プチグレンはグリーンの爽やかさが印象的で男性も親しみやすい香り。一方でネロリは花の甘さが際立つため、どちらかというと女性的な華やかな香りといえます。
プチグレンはどんな香り?アロマの特徴
プチグレンの香りには、鎮静作用を持つエステル類や抗不安作用のあるリナロールが多く含まれています。これが、緊張や不安をホッと和らげるようなやさしい香りの秘密です。
香りの揮発性(ノート)はトップノート〜ミドルノートで、柑橘系の精油ならではの爽やかな香り立ちが感じられます。
香りの第一印象は青々としたハーブのようですが、花や樹木系の香りもバランスよく含むやわらかさが特徴的。そのため、ハーバルアロマの代名詞ともいえるペパーミントやローズマリーとは香りの印象が異なります。
単体だと少し青臭さを感じるものの、ほかの精油と合わせると爽やかなアクセントに。その特徴を生かし、プチグレンと好みの精油をブレンドしてオリジナルの香りを楽しむ方も多いのだとか。
プチグレン精油の効果・効能
プチグレンは身体と心にうれしい効果・効能を持っており、健康を目的とするアロマセラピーにもよく用いられる精油のひとつです。
こちらでは、プチグレンが心身にもたらす作用を具体的に解説します。
身体への作用
プチグレンには身体の緊張をほぐす作用や鎮痛作用があります。血液やリンパの循環をサポートする作用も期待できることから、アロママッサージにもよく用いられています。
冷え性やむくみにお悩みの方は、お風呂上がりにプチグレンの精油で気になる箇所をマッサージしてみるとよいでしょう。また、生理痛を和らげたいときにお腹をやさしくマッサージするのも効果的ですよ。
プチグレンは肌の抗菌作用や収れん作用も持っているため、スキンケアにも使用できます。毛穴のゆるみやニキビなどが気になっている方は、日々のケアにプチグレンを取り入れてみてはいかがでしょうか。
柑橘系の精油は、日光に当たると色素沈着や炎症が起きる「光毒性」があると耳にしたことがある方もいるでしょう。しかしプチグレンはレモンやグレープフルーツのような光毒性を含まないので、朝のスキンケアにも安心して使用できます。
その他にも、消化促進作用や胃炎・下痢・便秘などの消化器系不調にも有効と言われています。消化器系の不調で悩んでる方に適しているエッセンシャルオイル(精油)です。
心への作用
プチグレンはラベンダーやベルガモットと並んで、不安を和らげる抗うつ作用が認められている精油です。鎮静作用と高揚作用をあわせ持つため、心のバランスを調和しフラットな状態へ導いてくれます。
気分の浮き沈みは誰にでも起こるもの。緊張や焦りで高ぶった気持ちを落ち着けたいときはもちろん、落ち込んだ気分を前向きに整えたいときもプチグレンが心強い味方になってくれることでしょう。
「出勤前に緊張で気持ちがこわばる」、「雨の日は気分が落ち込みやすい」といったお悩みがある方は、いつでも心を安定させられるお守りとして、プチグレンを日常に取り入れてみませんか?
ちなみに最近では、プチグレンの香りが作業効率をアップさせるという実験結果も出ているそうです。掃除や仕事の効率をあげたいときも、プチグレンの香りを活用してみるといいかもしれませんね。
就寝前にも◎ プチグレンの香りの使い方
プチグレンのエッセンシャルオイル(精油)は、芳香浴はもちろんスキンケアに混ぜたり、ヘアケア用品にしたり、多種多様な楽しみ方があります。
その中でも、エッセンシャルオイル(精油)を使って香りを楽しんだり自分でアレンジをしてボディケア用品やコロンなどを作ることもできます。
エッセンシャルオイル(精油)を楽しむ
アロマ専門店などでも手軽に手に入れることのできるエッセンシャルオイル(精油)なら、キャリアオイルなどに混ぜてマッサージに使ったりそのまま香りを楽しむこともでき、とてもおすすめです。
エッセンシャルオイル(精油)によっては取扱いの難しいものもありますが、プチグレンは比較的取扱いやすく、アロマ初心者でも手軽に楽しむことができます。
その中でも、特におすすめの使い方をご紹介いたします。
・睡眠前のリラックスタイムで
プチグレンのエッセンシャルオイル(精油)には、自律神経を整えて不眠を改善してくれる効果があります。緊張をほぐしてくれるため、寝る前にアロマデュフューザーで香りを楽しんだりすると、睡眠時にも深い眠りにつくことが出来ますよ。
香りが強すぎるのが苦手な方は、柔らかい布やティッシュなどにプチグレンのエッセンシャルオイル(精油)を少量、染みこませたものを枕元や寝室に置いておくだけでOK。自然とリラックス効果できて、緊張もほぐれ安眠することが出来ますよ。
・アロマバス
筋肉の緊張を和らげてくれる効果をもつ、プチグレンのエッセンシャルオイル(精油)はアロマバスとしても使えます。浴槽に1~2滴たらし、香りを楽しみながら浸かることで、より高いリラックス効果を得られます。
筋肉の疲労を和らげてくれるので、慢性的な肩こりなどで悩んでいたり筋肉痛など、筋肉のハリを感じたときにも非常におすすめです。
ぬるめのお湯でゆっくりと、アロマバスを楽しめば心も体も日ごろの疲れから解放されていきますよ。
・ルームスプレー
手作りのルームスプレーを常備しておけば、いつでも手軽にプチグレンの香りを楽しめます。疲れて帰宅したときも瞬時にリラックス空間を作れるのはうれしいですね♪
【作り方】
1.ビーカーに無水エタノールを45ml入れます。
2.プチグレンの精油を20滴加えて、ガラス棒や竹串などでよく混ぜます。
3.精製水を45ml加えてさらに混ぜ、スプレー容器に移すと完成です。
使用のたびに容器をよく振りましょう。涼しい場所に保管し、2週間を目安に使い切るようにしてください。
プチグレン精油と相性のいいブレンドレシピ
プチグレンは、さまざまな系統の香りと相性がよい精油です。ウッディ系の要素を持つため系統の近いハーブ系ともマッチしますし、ローズウッドやシダーウッドなどのウッディ系に爽やかさをプラスしたいときにも◎。
ここからは、アロマブレンドのおすすめレシピを厳選してご紹介します。
・プチグレン×レモン
疲労回復し、炎症を抑えてくれる効果をもつレモンとリラックス効果をもつプチグレンが合わさると、心を落ち着かせたいときにぴったりです。
レモンの持つ酸味と爽やかさは、とても気分を晴れやかにして落ち込んでしまった心も前向きな気持ちに変えてくれるでしょう。
お酒を飲んで少し疲れてしまった朝にも、気分転換のきっかけを与えてくれる香りです。
・プチグレン×ラベンダー
プチグレンとラベンダーの組み合わせはとても相性がよく、相乗効果をもてなしてくれる香りです。心地よくよく眠りたいときや、気分が落ち着かないとき、不安なときにも安心感を与えてくれる香りです。
ラベンダーには、安眠作用やリラックス効果が高いアロマとして知られていますが、香りがやや強い特徴があります。
そのためプチグレンとのブレンドは「ラベンダーだけでは少し苦手」と感じる方にもおすすめですよ。
プチグレンの持つ爽やかさと、ウッディ調の香りが優しく入り交ざりラベンダーの香りを柔らかく感じさせてくれます。
・プチグレン×パチュリ
プチグレンとパチュリは、エイジングケア効果としてアロマを取り入れたい方におすすめのブレンドです。
少しオリエンタルな香りのパチュリと、プチグレンのウッディ調の香りが混ざり合い、深みのある香りを楽しめますよ。
スキンケアなどによく使われているパチュリは、皮膚の油脂バランスを整えニキビを予防してくれたり痒みや湿疹を防いでくれます。
プチグレンの持つ炎症を抑える作用と相乗効果で、よりエイジングケア効果を発揮できるのです。
・プチグレン×マンダリン
プチグレンは季節の変わり目にデリケートになってしまった心を落ち着かせくれます。マンダリンと一緒にブレンドすることで、さらに前向きで、明るい気分にしてくれますよ。
深みのある柑橘の香りを楽しめるプチグレンとマンダリンのブレンドアロマは、デトックス効果も期待できます。リンパマッサージや、アロマバスとしても使ってみてください。より高いデトックス効果を得られるはずですよ。
プチグレンの効能についてよくある質問
プチグレンの香りは体にも心にも良いとされ、昔から重宝されてきました♩
ですが、意外とプチグレンについて知らない方も多いはず!
ここではそんなプチグレンについて気になる質問をピックアップしてみました!
ぜひ購入する際に参考にしてみてください!
プチグレンの効能は?
プチグレンの香りの成分にはビターオレンジやネロリと同じ成分も含まれており、抗ストレスや鎮静作用に期待できます。
自律神経へのアプローチにも期待できることから、ストレスなどメンタルの状態が原因の消化器系のトラブルや、身体の免疫力アップに役立つとも。
精神面だけでなく身体の不調の原因からも守ってくれるかもしれません♩
プチグレンは抗菌作用にも期待できます。
ぜひ疲れたときや落ち込んでいるときにかいでみてください!
プチグレンはどこから抽出されますか?
プチグレンの抽出源は、ビターオレンジの葉や小枝です。
また、レモンやスイートオレンジ、マンダリンなどの葉や小枝から抽出された精油も、プチグレンと呼ばれることがあります♩
現在はフランス、スペイン、イタリアなどが主な産地となっていて、150kgの葉枝から約1kgの精油が採れます。
プチグレンと相性のよい精油は?
プチグレンは他の柑橘系、ネロリ、ジャスミン、ラベンダー、クローブ、ローズマリー、フランキンセンス、ローズウッドなどほとんどすべての精油と調和します!
また、枕やシーツ・お部屋や洋服など物を選ばずにスプレーできる優れものです♩
[プチグレンの香りでリラックスタイムがもっと豊かに
身体と心にたくさんの効果・効能をもたらしてくれるプチグレン。さまざまなストレスで疲れがちな現代だからこそ、精油で自分をいたわる習慣を始めてみませんか?まずはハンカチやティッシュに精油を1滴たらすだけでも香りの力を実感できるはず。トライしやすい方法から気軽に試してみてくださいね。
慣れてきたら、ほかの精油とブレンドして甘さやスパイシーさを加えてみるのも楽しいですよ。爽やかさ&やさしさを兼ね備えるプチグレンで、極上のリラックスタイムを叶えましょう♪
[参考サイト]
東邦大学薬学部「薬用植物園 見本園 ダイダイ」
帝京大学医真菌研究センター「安全で簡易な抗真菌活性の測定法マニュアル」
日本アロマ環境協会 AEAJ「プチグレン精油で作業効率アップ?! Facebook」
特定非営利活動法人 日本メディカルアロマテラピー協会「~メディカルアロマで健康美人~プチグレン」
※アロマオイル(精油/エッセンシャルオイル)を使う際の注意点
アロマオイルは医薬品ではないため、「治療」できるものではありません。ここに掲載されている内容は精油の効果効能、心身の不調改善を保証するものではありません。予めご了承ください。高齢者、既往症のある方は半量の精油でお試しを。妊娠中の方は体調を考慮してください。使用に不安がある場合は医療機関にご相談することをおすすめいたします。実際にアロマの香りに癒されるという方はたくさんいます。自分の体の状態や気分に合わせて上手に取り入れてくださいね。